遠山甌穴

甌穴(おうけつ)とは?-遠山甌穴の特徴

結晶片岩の岩盤の上を川が流れているところを「岩畳」と呼ぶことがあります。埼玉県では長瀞町の荒川にある岩畳が有名ですが、嵐山町の嵐山渓谷にもすばらしい岩畳を見ることができます。その岩畳の水際を見ると、大きな丸い穴が開いています。甌穴、またはポットホールと呼ばれるこの穴は、川底で小さな石が水流により一か所でクルクル回るうちに、少しずつその表面を削り、長い年月をかけて開いたものです。嵐山渓谷のものは人が入れるほどの大きさがあります。この特徴的な穴は、遠山地区の江戸時代中期の村絵図にも記載があり、すでに当時から注目されていたことがよくわかります。

(文章:新井 浩二氏 提供)

町内を流れる槻川(つきがわ)は、所によっては勢いがあり、所によっては穏やかで、変化に富んだ表情を見せます。槻川の流れは昭和初期の《武蔵嵐山》を紹介した新聞記事の中で「白樹を洗ふ清い水、岩間に雪を吹く激流」と絶賛されたほどです(当サイト内「嵐山の沿革」ページもご参照ください)。右の画像は遠山(とおやま)地区の甌穴付近の様子ですが、このような小滝を思わせる激しい流れが渦を作り、それに乗じた礫や小石が想像を絶する時間を費やし、地道に《磨き》をかけていったのだと思います。「継続は力なり」と言いますが、思い続けていれば頑なな巨岩をも穿つことができるという、大事なことを大自然が教えてくれるような気さえします。埼玉県内では数少ない地学的見地からも価値のある貴重な甌穴であり、また、まさに穴場的“パワースポットホール(パワースポット/ポットホール)”として徐々に人気が出てきているようで、現地に訪れる方が増えています。

​遠山谷へ行ってみませんか~嵐山町観光ボランティアガイド~

 国道254号沿いの嵐山農産物直売所の興亜点から西に向かうと、すぐに峠の頂上に着きます。目の前には鮮やかな新緑の山々に抱かれた遠山の谷が眼下に広がります。

 峠を下り遠山の中心道路を西に行くと、やがて右手に八幡神社の鳥居と遠山寺(えんざんじ)の屋根が見えてきます。神社の前の十字路には「遠山甌穴」の道しるべがあります。道しるべに従って十字路を左に曲がり100mくらい行くと、目の前には清流の槻川が現れます。そして左には「遠山甌穴観光駐車場」があります。

​ 駐車場前の川沿いの道から下をのぞくと、大きな岩に大人がすっぽり入れるような巨大な丸い穴がいくつも並んでいます。最大の穴は深さ約180cm、長径約160cmあり、ほぼ垂直の穴です。道路から岩に下りる階段があります。2か所ある階段のうち、ゆるやかな下流側から下りてみましょう。岩の下はとても深い淵になっています。転倒しないように慎重に甌穴に近づきましょう。甌穴をのぞくと、底の水中にこぶし大の石がいくつも見えます。この石と水の流れで甌穴はできました。石は流れる水の勢いでくるくる回り、岩を削ります。この自然の営みが途方もなく長い時間をかけて甌穴をつくりました。そして今も営みは続いています。(広報嵐山 令和元年5月号より)

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